春の陽射しが柔らかく差し込む日曜日、町内の花壇整備にアパートに暮らす桐谷咲良（28）と参加した。

やり取りをしながら、水を撒いていると、突然――

「っ痛……っ！」

咲良が小さく叫んで、膝をついた。彼女は太ももを押さえて震えている。

「どうしました？大丈夫ですか？」

「ハチ……刺されたみたいです……っ」

見ると、右の太ももがうっすら赤く腫れていた。冷や汗を浮かべる咲良の額に触れ、

「部屋に戻って応急処置しましょう。動けますか？」

咲良はうなずき、村瀬に肩を貸されながら、部屋へ戻っていった。

部屋に入り、冷却シートや消毒液を手に取りながら、管理人は問いかける。

「どこですか？見せてください」

「……ここ、です」

赤く腫れた部分が露わになり、息をのむ管理人。刺された場所は、太ももの内側、柔らかい肌のもっとも敏感なところに近かった。

「……これは、まずい場所だな」

「……お願い、吸ってもらえませんか？毒、できるだけ……」

「え？……でも」

咲良は、かすかに笑みを浮かべてうなずいた。

「管理人さん、優しいから。……信じてます」

その言葉に、喉が鳴った。理性が警鐘を鳴らす一方で、彼の手は自然と咲良の太ももへ伸びていた。

唇が肌に触れる。最初はためらいながらも、次第に確かめるように――そして、咲良の体がわずかに震える。

「……んっ」

その小さな声に、動きが止まる。
咲良は目を閉じ、顔を紅潮させながら、ゆっくりと呟いた。

「……もしかしたら、もっと奥まで……毒が入っちゃったかもしれません……」

だが、その毒というのは―ー
ウソだった！？！？！

止まらなくなった咲良はそのままーー

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